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軒天までが板金で包まれているところが気に入っております。
御坊の町の形成に重要な役割を果たしていたのがその1で紹介した本願寺日高別院です。正確には京都の西本願寺の別院になります。この別院、全国に八十ヶ所余りもあるそうですが、ほとんどが独立採算だというのは意外な事実でした。元々は御坊市の西隣の美浜町にありましたが、豊臣秀吉の紀州征伐の際に焼失、文禄4年(1595)に現在地に移転されます。地元では日高の御坊さんと呼ばれ、これが町の名の由来となったとされているそうです。以降、町は御坊さんを中心とした寺内町として発展していくことになります。
その1でレポした古い町屋に中に材木問屋や廻船問屋がありました。日高川を利用し、上流で伐採した木を筏で河口まで流し、そこから江戸や大阪などに大きな船で運んだのではないでしょうか。物資の集積地という一面もあった町なんだと思います。旧熊野街道の紀伊路は御坊の中心街ではなく、現在のJR御坊駅辺りを通っていたようですが、御坊さんへの参拝客も多かったはず、そして上記の物資の集積地という一面・・・人が集まる場所に遊里有りです。地図に目を凝らしてみても、遊廓のような特徴的な町割りが残っているわけではありませんが、何ヶ所か気になる一画があるようですので、これからそこを訪れてみることに致します。
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旧中川邸さんの裏手にこんな路地があります。手前の赤い手摺が妙に引っかかりますが、構わず足を進めますと・・・
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別の路地に出るわけ。電柱にかすれた文字で旅館浜の家とありますね。
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浜の家さんは路地のどん詰まりにありました。一応ネットではヒットするのですが、果てしなく微妙な感じ。
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コチラにも風俗営業(料理屋)の鑑札が残っておりました。
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入ってきた路地の角にはたこよしさん。建物の角が全部引き戸になっている面白い造りになっているわけ。
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路地の並び・・・たこよしさんの隣にはリブ状の板が立ち上がるえびす食堂さん、洋食屋だったようです。
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路地の出口には角にアールがついた物件、手前の更地には何が建っていたのでしょうね。
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その入口廻り、見たところ床屋さんかパーマ屋さんといった感じでしょうか。ポーチには淡いピンクが散りばめられた玉石タイルが使われていました。
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ちょっと戻って、旧中川邸さんが面している通りにあるのが江戸末期創業という和菓子の有田屋さん。卯建状の建物と一体になったような内照式の看板が非常に面白い。
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近くの薗徹薬局さん、代々薬局を営んできた老舗、今も現役ですよ。かなり直されているようですが、店舗は江戸末期に建てられたものとのこと。軒下の横長欄間状の開口部に、昔のお薬の金看板が嵌め込んであるわけ。私は左の『グルゲル』がお気に入り、新手のモビルスーツかな。
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銅板の緑青にトタンの錆汁が流れ出している堀口金物店さんは既に退役済みのご様子。昭和初期といった感じでしょうか。
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その先にあるのが昭和3年(1928)に建てられた旧正宗屋酒店さん。当時、地方都市としてはまだ珍しい鉄筋コンクリート造の建物です。
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かなり劣化しておりますが、キャノピーの先端にメダイヨン風の装飾が連続しています。屋根は後から乗っけたようですな。
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地元で大浜通りと呼ばれている通りの光景。右手の物件、屋根の架け方が妙に気になるんですよねえ。此処については後ほど。
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近くの路地に入りますと、こげ茶のモザイクタイルで飾られたショーケースの先に割烹松葉さんの看板が見えてくるはず。
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二階のほぼ全部が板金で覆われているわけ。かなり退色しておりますが、外壁は緑、亀甲文様の戸袋は赤、一階の水色と合わせて往時はかなり派手なお店だったと思われます。
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向かいには割烹ひさごさん。かなり直されておりますが、入母屋屋根のかなり立派なお店だったということだけは分かりますな。
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嘗ては日高別院参拝後の精進落しの場だったら面白いかなと思っているわけ。
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路地を抜けると再び大浜通り、出口に建つ退役済みと思われるパーマ屋さん、ポーチには市松模様。
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屋根の架け方が気になると言った物件の正体は食堂でした。喜よ美食堂さん、伸び放題の庭木に隠れるようにして看板が残っておりました。
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喜よ美食堂さんが面している四つ角のはす向かいにも曰くあり気な物件。へたり欠けの手摺がいい味出しております。
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喜よ美食堂さんの前から北へ伸びるのが、いちばんそれっぽい匂いがする通りになります。もちろん個人的な感想ね。飲み屋や純喫茶が数軒チラホラ散見される中に、妙に艶っぽい建物が混じっているわけ。
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入母屋破風が立派な真っ黒な物件、虫籠窓風の格子が並ぶ塀でがっちりガードされており、中の様子は窺えませんでした。
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向かいには角出しの菱形の欄間。コチラにも風俗営業(料理屋)の鑑札。
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一軒のお店では早くもカラオケ全開でした。
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その先には崩れかけの円形の造作、塀の左官による鉄平石の巾木の毒々しい赤がステキ。
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どうやら円形の造作部分は、板で塞いでいたのが外れてしまったようですな。
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通りの出口にはオニギリみたいなユニークな屋根形状、ブルーシートの留め方がやけっぱち過ぎて笑っちゃいました。
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西日に照らされた手摺が綺麗でしたよ。
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近くには大門の痕跡、通りの名前はなんだったのでしょう。
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その向こうには、まるで甲冑みたいなサビサビトタンが凄い物件、風格さえ感じるほど。
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近くで出会った瓦葺きの洋館、元お医者さんといった感じでしょうか。アーチの間の手摺がオシャレですなあ。
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さっきからお茶できる処を探しているのですが・・・とにかくな~んにもないわけ。
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まあ、ブラブラしているだけで楽しい町なのですがね。
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ヤマザキじゃないディリーストアはやっていないし・・・
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太陽はつるべ落としだし・・・
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そうこうしているうちに、お茶というよりお酒という時刻になってしまいました。仕方ない、ベースキャンプの和歌山市まで我慢しますか。再びオンボロ列車に揺られて帰りましょう。
御坊さんにお参りしたら、割烹青葉さんがある界隈で精進落し、それでも物足りない方は喜よ美食堂さんがある通りにどうぞ、こんな感じだったのでしょうか。まあ、何かが存在したということだけは分かっていただけたのではないかと。実はこういうことをするのは三ヶ月ぶり、どうもいまいちペースが掴めず異常に疲れました。以上で一日目はオシマイ、二日目は海沿いではなく紀ノ川沿いの町を訪れます。
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軒天までが板金で包まれているところが気に入っております。
御坊の町の形成に重要な役割を果たしていたのがその1で紹介した本願寺日高別院です。正確には京都の西本願寺の別院になります。この別院、全国に八十ヶ所余りもあるそうですが、ほとんどが独立採算だというのは意外な事実でした。元々は御坊市の西隣の美浜町にありましたが、豊臣秀吉の紀州征伐の際に焼失、文禄4年(1595)に現在地に移転されます。地元では日高の御坊さんと呼ばれ、これが町の名の由来となったとされているそうです。以降、町は御坊さんを中心とした寺内町として発展していくことになります。
その1でレポした古い町屋に中に材木問屋や廻船問屋がありました。日高川を利用し、上流で伐採した木を筏で河口まで流し、そこから江戸や大阪などに大きな船で運んだのではないでしょうか。物資の集積地という一面もあった町なんだと思います。旧熊野街道の紀伊路は御坊の中心街ではなく、現在のJR御坊駅辺りを通っていたようですが、御坊さんへの参拝客も多かったはず、そして上記の物資の集積地という一面・・・人が集まる場所に遊里有りです。地図に目を凝らしてみても、遊廓のような特徴的な町割りが残っているわけではありませんが、何ヶ所か気になる一画があるようですので、これからそこを訪れてみることに致します。
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旧中川邸さんの裏手にこんな路地があります。手前の赤い手摺が妙に引っかかりますが、構わず足を進めますと・・・
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別の路地に出るわけ。電柱にかすれた文字で旅館浜の家とありますね。
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浜の家さんは路地のどん詰まりにありました。一応ネットではヒットするのですが、果てしなく微妙な感じ。
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コチラにも風俗営業(料理屋)の鑑札が残っておりました。
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入ってきた路地の角にはたこよしさん。建物の角が全部引き戸になっている面白い造りになっているわけ。
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路地の並び・・・たこよしさんの隣にはリブ状の板が立ち上がるえびす食堂さん、洋食屋だったようです。
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路地の出口には角にアールがついた物件、手前の更地には何が建っていたのでしょうね。
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その入口廻り、見たところ床屋さんかパーマ屋さんといった感じでしょうか。ポーチには淡いピンクが散りばめられた玉石タイルが使われていました。
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ちょっと戻って、旧中川邸さんが面している通りにあるのが江戸末期創業という和菓子の有田屋さん。卯建状の建物と一体になったような内照式の看板が非常に面白い。
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近くの薗徹薬局さん、代々薬局を営んできた老舗、今も現役ですよ。かなり直されているようですが、店舗は江戸末期に建てられたものとのこと。軒下の横長欄間状の開口部に、昔のお薬の金看板が嵌め込んであるわけ。私は左の『グルゲル』がお気に入り、新手のモビルスーツかな。
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銅板の緑青にトタンの錆汁が流れ出している堀口金物店さんは既に退役済みのご様子。昭和初期といった感じでしょうか。
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その先にあるのが昭和3年(1928)に建てられた旧正宗屋酒店さん。当時、地方都市としてはまだ珍しい鉄筋コンクリート造の建物です。
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かなり劣化しておりますが、キャノピーの先端にメダイヨン風の装飾が連続しています。屋根は後から乗っけたようですな。
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地元で大浜通りと呼ばれている通りの光景。右手の物件、屋根の架け方が妙に気になるんですよねえ。此処については後ほど。
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近くの路地に入りますと、こげ茶のモザイクタイルで飾られたショーケースの先に割烹松葉さんの看板が見えてくるはず。
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二階のほぼ全部が板金で覆われているわけ。かなり退色しておりますが、外壁は緑、亀甲文様の戸袋は赤、一階の水色と合わせて往時はかなり派手なお店だったと思われます。
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向かいには割烹ひさごさん。かなり直されておりますが、入母屋屋根のかなり立派なお店だったということだけは分かりますな。
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嘗ては日高別院参拝後の精進落しの場だったら面白いかなと思っているわけ。
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路地を抜けると再び大浜通り、出口に建つ退役済みと思われるパーマ屋さん、ポーチには市松模様。
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屋根の架け方が気になると言った物件の正体は食堂でした。喜よ美食堂さん、伸び放題の庭木に隠れるようにして看板が残っておりました。
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喜よ美食堂さんが面している四つ角のはす向かいにも曰くあり気な物件。へたり欠けの手摺がいい味出しております。
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喜よ美食堂さんの前から北へ伸びるのが、いちばんそれっぽい匂いがする通りになります。もちろん個人的な感想ね。飲み屋や純喫茶が数軒チラホラ散見される中に、妙に艶っぽい建物が混じっているわけ。
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入母屋破風が立派な真っ黒な物件、虫籠窓風の格子が並ぶ塀でがっちりガードされており、中の様子は窺えませんでした。
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向かいには角出しの菱形の欄間。コチラにも風俗営業(料理屋)の鑑札。
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一軒のお店では早くもカラオケ全開でした。
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その先には崩れかけの円形の造作、塀の左官による鉄平石の巾木の毒々しい赤がステキ。
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どうやら円形の造作部分は、板で塞いでいたのが外れてしまったようですな。
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通りの出口にはオニギリみたいなユニークな屋根形状、ブルーシートの留め方がやけっぱち過ぎて笑っちゃいました。
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西日に照らされた手摺が綺麗でしたよ。
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近くには大門の痕跡、通りの名前はなんだったのでしょう。
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その向こうには、まるで甲冑みたいなサビサビトタンが凄い物件、風格さえ感じるほど。
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近くで出会った瓦葺きの洋館、元お医者さんといった感じでしょうか。アーチの間の手摺がオシャレですなあ。
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さっきからお茶できる処を探しているのですが・・・とにかくな~んにもないわけ。
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まあ、ブラブラしているだけで楽しい町なのですがね。
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ヤマザキじゃないディリーストアはやっていないし・・・
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太陽はつるべ落としだし・・・
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そうこうしているうちに、お茶というよりお酒という時刻になってしまいました。仕方ない、ベースキャンプの和歌山市まで我慢しますか。再びオンボロ列車に揺られて帰りましょう。
御坊さんにお参りしたら、割烹青葉さんがある界隈で精進落し、それでも物足りない方は喜よ美食堂さんがある通りにどうぞ、こんな感じだったのでしょうか。まあ、何かが存在したということだけは分かっていただけたのではないかと。実はこういうことをするのは三ヶ月ぶり、どうもいまいちペースが掴めず異常に疲れました。以上で一日目はオシマイ、二日目は海沿いではなく紀ノ川沿いの町を訪れます。