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Channel: 『ぬけられます』 あちこち廓(くるわ)探索日誌
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群馬県 沼田市201303(再訪編)その2

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花街に裏口があったとはねえ・・・。


 群馬県とくれば乙種料理店ですよね。群馬県の統計情報をまとめたサイトで興味深いデータを見つけました。昭和18年(1943)末時点での様々なお店の数などを示したものなのですが、それによりますと沼田には甲種料理店17軒、甲種料理店雇婦21名とあります。此処で言うところの甲種料理店というのは、料亭や割烹といったお店のことだと思います。雇婦というのは仲居さんになるのでしょうか。続いて芸奴屋が16軒、もちろん置屋さんのことです。なぜか芸妓の数は示されておりませんでした。カフェー及バーという項目には横棒だけ、これはゼロではなく不明という意味でしょうね。無いわけありませんものね。そして肝心なのは乙種料理店、沼田には10軒、酌婦21名とありました。

 やっと謎に包まれた色街の実態の一端らしきものを知ることができたわけですが、相変わらず薄ボンヤリとした情報だなあ。話はその1に戻るのですが、『ブラタモリ』で沼田を取り上げるなら是非とも乙種のことも・・・NHKの絶大な力をもってすれば造作もないことでしょ?なんで沼田を取り上げる前提なのかよく判りませんが(笑)まあ、場所などが判ったとしても放送できるわけないわな・・・。

※前回のレポはコチラコチラ、先にご覧になったほうが判りやすいかと。



その1で出てきた飲み屋連なる細い細い路地を抜けた先にあるのがこの通り。いい感じに廃れております。



前回は此処を見落としておりました。



左を見たときはお風呂屋さんかと思ったのですが、おもちゃ・人形のカタヤマとありますね。



ポッカリと口を開けた入口、此処入っちゃって大丈夫なの???と思いながら恐る恐る足を踏み入れると土蔵が数棟並んでおりました。薄暗いその間を縫うように進んで行きますと・・・本当におもちゃ屋があった!!この時はこんな処で商売になるんかいなと思ったのですが、完全な勘違い。通りの反対側には日本ロマンチック街道が並行しているのですが、通りに面して立派なお店があることが判明、此処は単なる裏口だったというわけ。その節は大変失礼致しました。



書き割りのような山小屋風三角屋根が面白いですね。



日本ロマンチック街道に出ました。三階建てのハヤシ洋装さん、昭和初期といった感じでしょうか。界隈で一際目立つ建物です。



さらに南側の並行する細い通りへ・・・割烹奈島屋さん、前回も此処の前を通っているのですが全く気付かなかった。お城の大手門を模したようなファサードです。



門を潜った先に入口があります。かなり前に退役されたようですな。



小さな看板建築は以前のまま、裏手の長屋風の建物が気になるんだよなあ。



向かいにあるのが須賀神社さん、屋根を銅板に葺き替えたばかりみたい、ビカビカです。



カバン・テント製造販売とありました。もの凄い掘り出し物が見つかりそうなお店です。



その先には飲み屋さんがズラリ、此処ちょっと面白い状況なのです。



お店の間、奥に並ぶのは屋根付きのガレージ。お店専用じゃないよね?



スナック人やすみさんのファサードがお気に入りです。



振り返ると半ば崩壊しかけている半横丁建築とでも申しましょうか。後ろに仏塔みたいのがありますでしょ、なんとお店の背後にひろがっているのは墓地・・・。



奥のお店がこれまた凄いわけ。



お店と言ってしまってもいいものかという感じではありますが、やけっぱちにもほどがあるぞ。



近くにあるのが前回偶然見つけた現役『花街』・・・アホらしいのでアッサリと終わらせよう思ったのですが、コレって乙種料理店と何か関係があるのかも???嘗てそういう場所だったので花街と名付けたとか・・・なんてことはたぶんないと思います。昔の航空写真でこの辺りを確認してみましたが、よく判らん。



未舗装の砂利道の先、何か看板が見えますね。



な、なんと、公衆浴場都湯なる立派な造りのお風呂屋さんではありませんか!?これにはぶったまげた。退役済みだと思いますが、看板が結構新しいのが気になって仕方がないわけ、最近まで現役だったのかもしれません。凄いのは建物の周り、土のまんま・・・雨の日なんかどうしていたんだろう、せっかく綺麗になったのに外に出た途端泥まみれとか・・・。



お隣には飲み屋さんと思われる空き店舗・・・やっぱり沼田はいろいろと面白いなあ。



面白ついでに世界の北野(笑)もちろん仁王様なのですが、あまりにも出来が微妙だったものですから。都湯近くのお寺だったと記憶しているのですが、名前は失念してしまいました。



コチラは蕎麦の丸十一屋さん、前回は飲み屋さんかと、しかも元とか言っちゃっているし、これまた失礼致しました。スッキリとした造りとしか表現しようのないお店、こういうの好きですよ。



駐車場の先に目にも鮮やかなスミレ色の木造三階建て、前回も紹介しましたね。



跳ね出した小部屋から延びる陶器製の汚水管。共同便所でしょうか、アパートだったのかもしれませんね。



コチラがファサード。三階には円窓、二階の欄間には松葉、一階はレストラン花さんとのことなのですが、もうやっていないみたい。



さらに分岐する路地に入りますと・・・ホラ、見えてきましたよ。良かったまだ残っておりました。



コチラも前回偶然見つけたカフェー建築風のスナックソムリエさん。スナックなのにソムリエ???なんてツッコミは野暮ですぞ。やっぱり両側のサイディングが残念すぎる。



いつ頃のタイルかは判りませんが、いい艶放っておりますなあ。



実をいうとソムリエさんより向かいの建物が気になるのです。コレ、三軒が並んでいるように見えますが全部繋がっているみたい。かなり複雑な造りになっております。



特にこの部分がいい、窓の位置、外壁の色、ウン、全部いい。



その先にまた未舗装の路地がありまして、今度は割烹喜久乃さん。ご覧のとおりとっくの昔に退役されている様子。



ブロック塀越しにカメラだけを突き出したら割烹とは思えぬ光景が写ってしまったのですが、これはいったい・・・。



雲行きが怪しい感じですので花街の裏口でオシマイです。



膝にきそうな急坂を下って駅に向かいます。行きはヒイヒイ、帰りはカクカク。



坂の途中の廃屋裏に黒ニャンコ。早くお帰り、降ってくるよ。


以上で、沼田の再訪編はオシマイ。???同様に面白さも目白押しでしたね。やっぱりこの町は面白い。

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