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Channel: 『ぬけられます』 あちこち廓(くるわ)探索日誌
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愛知県 蒲郡市形原町201502

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港町の遊里跡?・メジロ囀る退役銭湯・過剰なまでのギザギザ

袋川の河口辺りに何かがあったようなのですが・・・。


 再び蒲郡駅に戻り、名鉄蒲郡線に乗り換え今度は西に向かうと三駅で形原駅に到着です。現在は蒲郡市の一部になっておりますが、元々は単独の自治体でした。昭和37年(1962)に編入されています。この町も三河湾に面しているのですが、前回の三谷町と比べると、より港町的な要素が強いような気がします。漁港も大きいですし・・・あ、そうそう、コチラも前々回、前回に引き続き機業地という顔をもつ町でもあります。そんな町に存在した遊里というのが形原歓楽荘、またもや同じ名前なのです。業者9に従業婦26という記録が残っているそうですが、相変わらず判っているのはその程度、これまた情報が極端に少ない遊里ということになります。漁港近くを流れる袋川の河口辺りにそれらしき一画があるようですが、三谷町でノンビリし過ぎちゃいました。ちょっと慌しい探索になりそうです。



駅を出たらとにかく東へ・・・途中にあった破風のあるお店、扁額の文字が読めません。ステッカーから判断すると、どうやらクリーニング屋さんみたい。



その先には床屋さん、木製の窓枠がオシャレですな。



ちょっと行くと見えてくるのが看板建築のツヂ薬局さん。スクラッチタイルの上、オーダー風の柱型装飾がちょっと顔を覗かせているのが面白いです。



ツヂ薬局さん脇の路地に入りました。途中に小屋がありまして、中を覗くとこんな状態。写ってはいませんが、左には歴史がありそうなお宅があるわけ。コレって所謂厠ということになるのかも。



突当りは袋川・・・川の土手から降りるとすぐにこんな路地がクネクネ。



路地を抜けると県道321号線、それに面したお宅の戸袋に施されていた透かし彫りです。



その先の変則のY地路、角にあるすし義さん脇の裏通りを入った先が目的の一画になります。



左のサイディングに包まれた三階建て、天辺から瓦葺の寄棟屋根が顔を覗かせているの、お判りなるでしょうか?



その玄関廻り、引き違い戸上の照明などちょっと普通のお宅には見えませんよね。どうやらコチラ、遺構の一つみたいです。サイディングを剥がすと、どんな姿が現れるのでしょう。



三階建て脇の路地に入りました。此処、入っちゃって大丈夫なのでしょうか、曲がりくねって方向感覚がおかしくなりそう・・・。



あれ?大した発見もないまま県道に出ちゃった・・・。



グルリと迂回して、今度は裏通りの反対側から・・・駐車場の向こうに初音の文字、地図には旅館とあります。右隣には航空写真で特徴的な屋根をもつお宅を確認していたのですが、残念ながら更地になっておりました。



これまた此処入っちゃって大丈夫なの?といった感じの路地の奥に初音さんの入口があります。



判りにくいと思いますが、外壁は色褪せたべんがらっぽい赤色・・・また赤ですよ。どうなってんの、コレ。



Y字路に戻って袋川沿いを行きますと、凝った造りのお宅が見えてきます。奥に橋が見えますが、その向こうは三河湾です。



またまた赤なんだもの、思わず笑っちゃいましたよ。赤い塀と松の向こう、二階の手摺(赤)には透かし彫りが施されておりました。



袋川対岸の通りもちょっと気になりました。いきなりという感じでうなぎ屋さんがありますし、お隣には・・・



窓と格子戸の桟が凝っているお宅・・・塀にはいけばな茶道教室と書かれた看板がありました。以上が気になる一画なのですが、果たして此処が形原歓楽荘だったのでしょうか。前回の三谷町もそうだったのですが、色街跡というよりは花街跡といったほうがシックリくる感じですよね。



近くのノコギリ屋根、海に近いせいかトタンの錆が凄みを感じさせるほどです。



形原漁港近くで見つけました。手押しポンプがある小屋、何だろうと思いオープンになった引き戸の奥を覗いてみますと・・・



???



近くの元商店だったかな・・・すでに商売はしておらず、店舗部分をガレージにしているようなのですが、中にモザイクタイル貼りの円柱がありました。



その先に入口が二つある建物があります。そう、お風呂屋さんです。松乃湯さん、ご覧のとおりすでに退役済みと思われます。ファインダーを覗いていると、建物の脇からお爺ちゃんがヌッと現れて飛び上がるほど驚いた。此処は四年前に辞めちゃったよと言いながら、お爺ちゃんは向かいのお宅に入っていきました。



入口脇の白い椿の中、さっきからチーチーという鳴き声が・・・覗いてみると声の正体はメジロでした。花の蜜が好物なんですよね。



松乃湯さんの煙突、通りのこんな際に建っているわけ。当初の予定では此処で形原駅に戻って、もう一ヶ所の気になる一画を訪ねるつもりでしたが、時間的にかなり厳しい状況・・・仕方ないのでこのまま隣の西浦駅まで歩いてみることに致します。地図も持参していませんので、ここからは気ままなお散歩探索に変更。まあ、気ままといっても時間が押しております、急ぎましょう。



三浦萬太郎と刻まれた像、何方様と思い調べてみましたらお医者さんみたいです。石像が建てられるほどの偉い方だったの?



向かいにはポーチに市松模様のモザイクタイルが貼られた理容カベヤさん。お判りになるでしょうか、外壁の全面にもモザイクタイルが貼られていたようですが、後からペンキで塗り潰しちゃったみたい。柔らかな布地みたいなテクスチャーが面白いですが、塗る前の姿を見たかった。



海沿いの裏通りを離れてダラダラとした坂を登っていきますと、ピンク下見板張りの洋館風のお宅が現れました。隣には純和風の門、亀甲積みの石垣が素晴らしい。



最初はキネマと読んでしまい、こんな処に映画館が!?ととんでもない勘違いをしてしまったというのはここだけの話(笑)



ちょっと行った処、名鉄蒲郡線の線路沿いに大きな工場が幾つか並んでいるのですが、それら全部がこんなノコギリ屋根なわけ。どうです、この過剰なまでのギザギザ。大好きな町、桐生にもこれだけの大規模な物件はもう残っていないですからね。



コチラはカネヤ製網さん、このノコギリ屋根ではロープを造っているようです。蒲郡周辺で製造される繊維ロープは全国シェアの四割を占めるほどなんだとか。



そんなこんなでなんとか間に合いました、無人駅の西浦駅に到着です。



タイミングよくやって来た蒲郡行きの列車で戻ります。赤に始まり赤で終わるわけ・・・おあとがよろしいようで。

なんだか終始赤ばかりが目についたような探索になってしまいましたね。レポにあるもう一ヶ所というのは、形原駅の一つ手前の三河鹿島駅から山側に入った処にある形原温泉。旅館数軒という小さな湯治場なのですが、なんでも芸妓見番が残っているらしいとのこと。こっちにしておけばよかったかもとちょっと後悔しております。というか、こっちが形原歓楽荘だったという可能性は???などなど、謎だけが深まったような東三河の日帰り強行探索は以上でオシマイ。

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