いつまで待っても看板に明かりが灯ることはありませんでした・・・。
今回の笠間再訪編ですが、下調べ段階で気付いたことがあります。何気なくグーグルの航空写真を眺めていたときです。町の中心から北西に1キロほど、小高い丘らしきものを越えた先にそれがありました。まん丸の水があるという表示・・・これは、もしかするとマイブームである・・・円筒分水!?円筒分水が分からない方、いちいち説明するの面倒なのでコチラをご覧くださいね。これは栃木県日光市今市に存在しているものなのですが、これにいたく感動してしまいまして・・・嵌りました(笑)その後も近場の物件を幾つか見学しに行っているわけです。もちろん遊里跡探索のついでという形ですけどね。
群馬県高崎市にある長野堰用水円筒分水、直径約13m、かなり立派なものです。水量が豊かなのはいいのですが、写っていない向こう側は大量のゴミがプカプカ、アングルが限られてしまったのが残念でした。此処から流れ出した水路を辿っていきますと、面白い光景が・・・それにつきましては、高崎市の再々訪編で紹介致します。いつになるか分かりませんけど・・・。
神奈川県川崎市高津区にある二ヶ領用水久地円筒分水、直径約16m、規模はもちろんなのですが此処はロケーションが最高。流れ出す二ヶ領用水の両側に桜の木があるのです。最初に訪れたときそれに気付き、開花を狙って再訪(笑)画像はそのときのものになります。しかし、残念ながらどんよりとした曇り空、これじゃ桜は映えませんな・・・来年あたりもう一度行かなくてはならないみたいです。
しかし、いくら調べても今回の笠間にそれが存在するという証拠は見つけられませんでした。改めて航空写真を眺め直してみると、ちょっと違うような気がしてきた・・・でも、特徴である二重丸風の構造が見て取れるんだよなあ・・・。まあ、とりあえず行くだけ行ってみましょうか。とんでもない無駄足になりそうな予感がするのは気のせいでしょうか。
※前回のレポはコチラとコチラ、先にご覧になったほうが分かりやすいかと思われます。
笠間稲荷神社前を横切る通りを西へ・・・途中にあるのが謎の壁画がある喫茶店。もちろん現役ではありませんよ。コレ、稀に見かけるのですが、仕上げの名称が未だに分からない・・・。
洋風のバルコニーがある逸品の看板建築、石塚箪笥店さんも健在。震災などなにするものぞといった感じです。クラック一つ見当たりません。素晴しいですね。
国道355号線を渡って更に西へ・・・頃合をみて右に入る脇道に入ります。砂利敷きの駐車場の片隅になぜか雀荘の看板???
住宅が点在する田んぼの中をしばらく行きますと、小高い丘にぶつかります。これの向こう側にあるはずなのですが・・・。
坂道の傍らに立つ石碑に目が止りました。箱田うら山古墳!?なんと、単なる丘だと思っていたのは大昔のお墓だったのです。全長45mの前方後円墳、6世紀頃に造営されたものだそうです。
此処が『後円』になるのでしょうか、表示がなければ築山にしか見えませんな。古墳を越えた先に見えてきましたよ。
嫌な予感が的中、単なるまん丸の池でした・・・またやっちゃった・・・。
背後には墓地、崩壊したベンチやサビサビの東屋みたいのもあります。一応公園として整備されたようですが、使われている様子は皆無・・・。
すぐ横を国道50号線が通っているのですが、その下をボックスカルバートのトンネルが貫いています。それを抜けると笠間市総合公園、まん丸の池もそれの一部なのでしょう。円筒分水かと思いきや、忘れ去れた公園だったというわけ・・・以上、壮大な勘違いでした。
最後に訪れたのが、前回も紹介したバラックのような飲み屋さんが並ぶ一画。急がないと本当に日が暮れそう・・・。
明らかに崩壊が進行しておりました。マンホールの蓋代わりに使われていたのが、なぜか巨大な丸ノコの刃(笑)
中央辺りに白い物体が見えますが・・・ニャンコの亡骸。ニャンコって死を悟ると姿を隠すっていいますよね、何があったのでしょう・・・合掌。
震災の影響でしょうか、袖看板が落ちちゃったみたい。
提灯にも明かりが灯ることはないんだろうなあ・・・。
リフォーム或いは解体でもするつもりだったのか、あるお店などは外壁がベロンと剥がされ、中が丸見え・・・これがなんとも安っぽい造りでガッカリ・・・そのまま放置プレイ状態、可哀相でした。
表通りに面した光景、5年前の光景と比べてみると分かるのですが、テナントが変わっているようでした。一応現役だった時期があるようです。でも、今はもう・・・。
テントのキャノピーが骸骨状態の津軽さん、カフェー風の入口廻りがステキですねえ。
『佳世』なのか『佳代』なのか、屋号は純和風なのに、このロゴ・・・いいなあ。お隣は御影石に大理石、ふんだんに石を使った豪華版。なのにドアのしょぼさ具合(笑)
そして最後に控えますのは夕顔さん、このストライプかっこ良すぎるでしょう。ドアの位置も絶妙すぎますよ。絶品の飲み屋建築ですなあ。
この素っ気無さが堪らんのです。左の看板の右上にはかすれて消える寸前ですが、十八歳未満ウンヌンという表示が残っておりました。どんな業態だったのでしょうね。
夕顔・・・その名のとおり、夕刻から咲き出す花・・・でも、此処のは咲くことはなさそうです。
最後に再び見番に寄ってみました。どういうわけか、依然として全開状態(笑)炬燵にストーブと薬缶、妙に艶っぽく見えてしまったのはなぜでしょう。それにしても姐さんたちは何処???
慌しい探索になってしまいましたが、十分すぎる収穫のあった笠間の再訪編でした。間違いなく昭和館の姿を見るのはこれが最後でしょうね。そう思うと、ちょっと複雑な心境です。