ステンドグラスがある部屋とは・乙種料理店は何処・街道脇で見つけたもの
いきなりですが、問題です。この美しいステンドグラス、何処にあるのでしょうか???正解は後ほど。
川口・・・実はこの町、拙ブログで最初に探索レポを公開した町なんですよね。それは2006年6月のこと、ちょうどドイツで開催されたワールドカップの真っ最中、眠い目を擦りながら観戦する中、日本代表は惨敗するわけです。あれから7年ですか・・・来年にはブラジルで開催されるんだよなあ・・・早いものですね。生来の飽きっぽい性格ですので、これだけ続いているのはほんと奇跡に近いものがあると少し自慢したいくらい(笑)
当時は遊里などというものにはほとんど興味はなく、古い町並みとちょっと怪しい路地裏などをフラフラできればそれで満足していたんだよなあ。まあ、その頃からの酷い写真と酷い文章というのは一貫しているわけでして、継続は力なりとはいかないところがお恥ずかしいかぎり・・・ちょっとは成長しろよと思うのですが、これがなかなか(笑)唯一の変化はカメラが優秀なものに変わったくらい、このあたりの急速な機材の発達というのは驚くべきものがありますよね。
その記念すべき初回のレポですが、この度公開を中止致しました。いくら初期のものとはいえ、書いた本人が読んでも赤面してしまうほどのとんでもない酷さ、これは他人に見せてはいけないものだ、という判断からそうさせていただきました。というわけで、川口を改めてフラフラ彷徨って参りましたよ。厳密には再訪編ということになるのでしょうが、初心に戻るという理由から(再訪編)とはしておりません。まあ、初心に戻るなんて偉そうにしておりますが、本当のところは久しぶりに行ってみようか・・・そんな感じなんですよね。埼玉県ですので、だるま屋こと乙種料理店が存在していたようですが、それについてはその2のほうでお話させていただきます。いつものように大した情報はありませんけど・・・。とりあえず比較的古い町並みが残っている、地元では本一商店会と呼ばれている本町一丁目界隈を目指すことに致します。
川口駅東口から南東に伸びる産業道路を真っ直ぐ行くと本一商店会なのですが、途中の脇道へ・・・この辺りは金山町になるでしょうか。そこで見つけた洋館付住宅の一種・・・というか、洋館部分のほうが立派ですな(笑)三層の土蔵付きという豪華版。鋳造業で財を成した方のお宅でしょうか。
その先、川口神社の裏手にいい感じに古びた看板建築が並んでおりました。
BARBERオバタさん、現役なのでしょうか。
気に入ったのが多々良せんべい平澤さんのショーケース、いいなあコレ。今でもそうですが、曲面ガラスってとんでもない値段するんですよ。往時はさぞかしハイカラだったのでしょう。バラ売りしてくれるというのも嬉しいですね。
川口神社の南側、少し奥まった場所に立派なお屋敷が現れます。ン?川口市母子福祉センター???
ちょっとお邪魔させていただきますよ。陸屋根に出窓が並ぶ洋館付住宅とでも申しましょうか、私の後ろには土蔵もあったりします。何だろう此処・・・というわざとらしい前置きはここまで(笑)現在は母子福祉センターですが、元々は鋳物問屋『鍋平』の四代目当主嶋崎平三が建てた別邸でした。鋳物の町川口の隆盛を物語る遺構ということになりますね。それはともかく、この建物、とっても面白いのですよ〜。
飛び石を辿っていきますと・・・見えてきましたよ。
円形と出窓状のステンドグラスが並んでおります。両者が近いので妙にバランスが悪い(笑)冒頭画像はコレになります。果たして中はどうなっているのでしょうか。そのまま視線を右に動かしていきますと・・・
こ、これは!?・・・なんと、建物の下を潜れるようになっているではありませんか。鮮やかな群青色の外壁も気になりますぞ。
渡り廊下を潜り抜けると、そこは池泉回遊式の庭園。中央に網代張りの部分が見えますが、あそこの下を潜ってきたわけ。向かって左が明治末期頃に建てられた母屋、右が昭和14年(1939)に増築された離れになります。両者とも国の登録文化財です。手前に擬木の柵が見えますが、池があります。水はありませんでしたが、離れの広縁の下まで続いておりました。
離れの欄間、青の色ガラスが使われているのお分かりになりますでしょうか。
庭の全景です。昭和16年(1941)頃に完成したようです。市の指定文化財だそうです。
これが玄関、チャイムを押せば管理しているお姉さんが開けてくれます。御影石の巨大な沓脱ぎ石がすごいですね。右のドアの先は、最初に現れた茶色の外壁に出窓が並んでいた部分、事務室として使っているみたい。ドアはオリジナルではないような気がします。
母屋の和室、桃の節句は過ぎたのにまだお雛様が飾られておりました。床の間脇の書院には精緻な組子障子、所々欠けていたのが残念。
渡り廊下からステンドグラスを見るとこんな感じ・・・内側を知りたいとそのまま回り込んでいきますと、意外な光景が現れます。
何でしょう・・・この、なんでもござれ感・・・暫く唖然ですわ(笑)左から参りましょうか、ピンクの洗面器がありますが、壁には美しい青の大理石。こんな鮮やかなのは初めて見ましたよ、でも種類が分からない。窓にはカーネーション?のステンドグラス。右の壁が凄まじい・・・ド派手なガラスモザイクによる壁画、帆掛け舟と松だと思うのですが、舟の『帆』が鏡になっているわけ。ちょっと微妙な出来ですけど(笑)奥に進みますと・・・
なんじゃコレ・・・モザイクタイルに浮かぶ切り株の飛び石・・・なんだかこの空間、夢に出てきそう。
床のディテール、カフェー建築で見られるような彩度の高いものではなく、ちょっと地味目のタイルを使って使っているのが分かりますね。どうもうまくAFが機能しませんので、珍しくマニュアルで撮影しております。思いっきりピンボケ・・・馴れないことをするとこうなるわけ。で、恐る恐る奥の引き戸を開けますと・・・
なんと、あの円形のステンドグラスの内側は便所かよ!!なんて豪勢なんだあ。それにしても和風便器と合わないことといったら(笑)
脇には常滑焼風の洗面器、カランの上には蝸牛が這っておりますよ。壁のモザイクタイルも綺麗ですね。
何となく予想できたと思いますが、お隣は小便器。出窓状のステンドグラスは此処でした。床に注目、全部大理石・・・男性にしか分からないと思いますが、公共のトイレなどで小便器廻りの人が立つ範囲に石が貼られているのをよく見かけますよね。あれを汚垂石といいます。オシッコって、思っている以上に飛び散るんです。中にはキレの悪い人もいたりしますしね(笑)以前はタイルのままということが多かったので、目地に入った汚れを落とすのが大変、石の一枚板にしてしまえば楽ということなのです。それを此処では既にやっていたというわけ。でも、大理石はアンモニアに弱いはずなんだけど(笑)
もっと驚くのが、この天井。分かりにくいと思いますが、緑と赤の色ガラスによる格天井なのです。いっそのこと建築照明にして内側から照らせばいいのにと一瞬思ったのですが・・・すぐに改めました(笑)それにしてもこの水廻りの意匠、お施主さんの趣味なのでしょうか。とにかく此処は必見ですぞ。
離れの広縁、欄間の色ガラスが綺麗ですね。
なぜか板張りの和室。畳表を代えるため、畳屋さんが持って行っちゃったんだそうです。黒檀と思われる床柱、とんでもない銘木が使われています。そして此処の書院にも組子障子が・・・でも、さっきの水廻りの後だと地味に見えてしまうわけ(笑)
下地の板にちゃんと番号がふられておりました。間違えると嵌らなくなっちゃうんだと思います。
不思議なお屋敷を堪能して外に出るとこの看板・・・鋳物の町ということです。周辺工場一同というのがいいですね。
近くで見つけたかなり大きな廃屋、石の門柱が凄いですなあ。こちらも鋳造業関係だったのかもしれませんね。
本町たたら荘というコミュニティセンターの裏手に謎の洋館があります。おそらく個人邸だと思うのですが、調べても詳細が一切不明・・・というか、人が住んでいるのかさえもよく分からない・・・どなたかご存知ありませんか???
此処にもステンドグラスが使われています。素朴なドイツ壁とよくマッチしております。
向かいには出窓のある洋館付住宅、手入れが行き届いております。大切に使われているようです。
その1はここまで。東京の目と鼻の先にあんな逸品があったなんて、探せばまだまだあるものですね。その2では乙種料理店を探して彷徨うのですが、果たして結果は・・・お楽しみに。
いきなりですが、問題です。この美しいステンドグラス、何処にあるのでしょうか???正解は後ほど。
川口・・・実はこの町、拙ブログで最初に探索レポを公開した町なんですよね。それは2006年6月のこと、ちょうどドイツで開催されたワールドカップの真っ最中、眠い目を擦りながら観戦する中、日本代表は惨敗するわけです。あれから7年ですか・・・来年にはブラジルで開催されるんだよなあ・・・早いものですね。生来の飽きっぽい性格ですので、これだけ続いているのはほんと奇跡に近いものがあると少し自慢したいくらい(笑)
当時は遊里などというものにはほとんど興味はなく、古い町並みとちょっと怪しい路地裏などをフラフラできればそれで満足していたんだよなあ。まあ、その頃からの酷い写真と酷い文章というのは一貫しているわけでして、継続は力なりとはいかないところがお恥ずかしいかぎり・・・ちょっとは成長しろよと思うのですが、これがなかなか(笑)唯一の変化はカメラが優秀なものに変わったくらい、このあたりの急速な機材の発達というのは驚くべきものがありますよね。
その記念すべき初回のレポですが、この度公開を中止致しました。いくら初期のものとはいえ、書いた本人が読んでも赤面してしまうほどのとんでもない酷さ、これは他人に見せてはいけないものだ、という判断からそうさせていただきました。というわけで、川口を改めてフラフラ彷徨って参りましたよ。厳密には再訪編ということになるのでしょうが、初心に戻るという理由から(再訪編)とはしておりません。まあ、初心に戻るなんて偉そうにしておりますが、本当のところは久しぶりに行ってみようか・・・そんな感じなんですよね。埼玉県ですので、だるま屋こと乙種料理店が存在していたようですが、それについてはその2のほうでお話させていただきます。いつものように大した情報はありませんけど・・・。とりあえず比較的古い町並みが残っている、地元では本一商店会と呼ばれている本町一丁目界隈を目指すことに致します。
川口駅東口から南東に伸びる産業道路を真っ直ぐ行くと本一商店会なのですが、途中の脇道へ・・・この辺りは金山町になるでしょうか。そこで見つけた洋館付住宅の一種・・・というか、洋館部分のほうが立派ですな(笑)三層の土蔵付きという豪華版。鋳造業で財を成した方のお宅でしょうか。
その先、川口神社の裏手にいい感じに古びた看板建築が並んでおりました。
BARBERオバタさん、現役なのでしょうか。
気に入ったのが多々良せんべい平澤さんのショーケース、いいなあコレ。今でもそうですが、曲面ガラスってとんでもない値段するんですよ。往時はさぞかしハイカラだったのでしょう。バラ売りしてくれるというのも嬉しいですね。
川口神社の南側、少し奥まった場所に立派なお屋敷が現れます。ン?川口市母子福祉センター???
ちょっとお邪魔させていただきますよ。陸屋根に出窓が並ぶ洋館付住宅とでも申しましょうか、私の後ろには土蔵もあったりします。何だろう此処・・・というわざとらしい前置きはここまで(笑)現在は母子福祉センターですが、元々は鋳物問屋『鍋平』の四代目当主嶋崎平三が建てた別邸でした。鋳物の町川口の隆盛を物語る遺構ということになりますね。それはともかく、この建物、とっても面白いのですよ〜。
飛び石を辿っていきますと・・・見えてきましたよ。
円形と出窓状のステンドグラスが並んでおります。両者が近いので妙にバランスが悪い(笑)冒頭画像はコレになります。果たして中はどうなっているのでしょうか。そのまま視線を右に動かしていきますと・・・
こ、これは!?・・・なんと、建物の下を潜れるようになっているではありませんか。鮮やかな群青色の外壁も気になりますぞ。
渡り廊下を潜り抜けると、そこは池泉回遊式の庭園。中央に網代張りの部分が見えますが、あそこの下を潜ってきたわけ。向かって左が明治末期頃に建てられた母屋、右が昭和14年(1939)に増築された離れになります。両者とも国の登録文化財です。手前に擬木の柵が見えますが、池があります。水はありませんでしたが、離れの広縁の下まで続いておりました。
離れの欄間、青の色ガラスが使われているのお分かりになりますでしょうか。
庭の全景です。昭和16年(1941)頃に完成したようです。市の指定文化財だそうです。
これが玄関、チャイムを押せば管理しているお姉さんが開けてくれます。御影石の巨大な沓脱ぎ石がすごいですね。右のドアの先は、最初に現れた茶色の外壁に出窓が並んでいた部分、事務室として使っているみたい。ドアはオリジナルではないような気がします。
母屋の和室、桃の節句は過ぎたのにまだお雛様が飾られておりました。床の間脇の書院には精緻な組子障子、所々欠けていたのが残念。
渡り廊下からステンドグラスを見るとこんな感じ・・・内側を知りたいとそのまま回り込んでいきますと、意外な光景が現れます。
何でしょう・・・この、なんでもござれ感・・・暫く唖然ですわ(笑)左から参りましょうか、ピンクの洗面器がありますが、壁には美しい青の大理石。こんな鮮やかなのは初めて見ましたよ、でも種類が分からない。窓にはカーネーション?のステンドグラス。右の壁が凄まじい・・・ド派手なガラスモザイクによる壁画、帆掛け舟と松だと思うのですが、舟の『帆』が鏡になっているわけ。ちょっと微妙な出来ですけど(笑)奥に進みますと・・・
なんじゃコレ・・・モザイクタイルに浮かぶ切り株の飛び石・・・なんだかこの空間、夢に出てきそう。
床のディテール、カフェー建築で見られるような彩度の高いものではなく、ちょっと地味目のタイルを使って使っているのが分かりますね。どうもうまくAFが機能しませんので、珍しくマニュアルで撮影しております。思いっきりピンボケ・・・馴れないことをするとこうなるわけ。で、恐る恐る奥の引き戸を開けますと・・・
なんと、あの円形のステンドグラスの内側は便所かよ!!なんて豪勢なんだあ。それにしても和風便器と合わないことといったら(笑)
脇には常滑焼風の洗面器、カランの上には蝸牛が這っておりますよ。壁のモザイクタイルも綺麗ですね。
何となく予想できたと思いますが、お隣は小便器。出窓状のステンドグラスは此処でした。床に注目、全部大理石・・・男性にしか分からないと思いますが、公共のトイレなどで小便器廻りの人が立つ範囲に石が貼られているのをよく見かけますよね。あれを汚垂石といいます。オシッコって、思っている以上に飛び散るんです。中にはキレの悪い人もいたりしますしね(笑)以前はタイルのままということが多かったので、目地に入った汚れを落とすのが大変、石の一枚板にしてしまえば楽ということなのです。それを此処では既にやっていたというわけ。でも、大理石はアンモニアに弱いはずなんだけど(笑)
もっと驚くのが、この天井。分かりにくいと思いますが、緑と赤の色ガラスによる格天井なのです。いっそのこと建築照明にして内側から照らせばいいのにと一瞬思ったのですが・・・すぐに改めました(笑)それにしてもこの水廻りの意匠、お施主さんの趣味なのでしょうか。とにかく此処は必見ですぞ。
離れの広縁、欄間の色ガラスが綺麗ですね。
なぜか板張りの和室。畳表を代えるため、畳屋さんが持って行っちゃったんだそうです。黒檀と思われる床柱、とんでもない銘木が使われています。そして此処の書院にも組子障子が・・・でも、さっきの水廻りの後だと地味に見えてしまうわけ(笑)
下地の板にちゃんと番号がふられておりました。間違えると嵌らなくなっちゃうんだと思います。
不思議なお屋敷を堪能して外に出るとこの看板・・・鋳物の町ということです。周辺工場一同というのがいいですね。
近くで見つけたかなり大きな廃屋、石の門柱が凄いですなあ。こちらも鋳造業関係だったのかもしれませんね。
本町たたら荘というコミュニティセンターの裏手に謎の洋館があります。おそらく個人邸だと思うのですが、調べても詳細が一切不明・・・というか、人が住んでいるのかさえもよく分からない・・・どなたかご存知ありませんか???
此処にもステンドグラスが使われています。素朴なドイツ壁とよくマッチしております。
向かいには出窓のある洋館付住宅、手入れが行き届いております。大切に使われているようです。
その1はここまで。東京の目と鼻の先にあんな逸品があったなんて、探せばまだまだあるものですね。その2では乙種料理店を探して彷徨うのですが、果たして結果は・・・お楽しみに。