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Channel: 『ぬけられます』 あちこち廓(くるわ)探索日誌
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長野県 諏訪市201312(再訪編) その1

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表と裏の顔が違う遺構?・川沿いの謎洋館の正体は・一見さんでも入浴可です

ポケットだからカンガルーということみたい。


 岡谷駅から10分ほどで上諏訪駅に到着、5年ぶりの諏訪市です。前回は突然の発熱のため途中でリタイヤしたんだよなあ。どうやら今回は大丈夫そうですが、明け方降った雪のせいか八ヶ岳方面から吹き降ろしてくる風が冷たいのなんのって。この町が温泉地で良かった、帰りに何処かに浸かって温まっていくことにしましょうか。

 諏訪湖の湖畔にひろがる諏訪市は、諏訪大社の門前町、旧甲州街道の宿場町、浮城高島城があった城下町、そして温泉といった感じで古くから多くの人々で賑わった町。そんな処ですので遊廓に花街と大人が遊ぶ場所には事欠かない町でもありました。花街は未だに現役ですからね。まあ、遊里関係はその2でお話するとして、これ以上書くことが思いつきませんので早速始めさせていただきます。その前に腹ごしらえ・・・町が名物にしようと推しているみそ天丼なるものを頂いたのですが・・・ウーム、私は普通の天丼のほうがいいや。

註)前回のレポはコチラコチラ、酷いものですが宜しかったらどうぞ。



まずは駅前から中央本線と並行している国道20号線を北へ・・・以前から気になっていた物件が線路脇にあるのですよ。最初に現れたのは元旅館と思われる木造三階建て。



その先の建物に挟まれた更地の状況、名のあるアーティストの作品に違いない(笑)



ちょっと寄り道、水路が流れる脇道へ、いい感じに鄙びた旅館があったものですから。



水路の向こう側、来た来た!!遊んで遊んで!!と煩かった仔。そこじゃ無理だろ(笑)



旅館の円形の造作。この旅館宝屋さん、4年前に廃業されていたそうです・・・。



国道に戻ってもう少し行きます。線路沿いに続く廃屋の群れ、手前の物干し台があるお宅、サッシが凄いことになっております。まるで戦時中。



踏切の脇にあるのが目的の物件、お気付きの方も多いのではないでしょうか。



コレ、間違いなく提灯ですよね。どういった理由からなのでしょうか、縁起物といえば縁起物なのかもしれませんが。



裏路地をクネクネしながら駅方面へ・・・路地を抜けた途端現れたコレに思わず声が洩れました。これは想定外の出会いだ。



なんて愛らしい洋館。ドアには金文字で梅香荘、類ではありませんが、斜めハンドルがポイント高いです。アパートなのでしょうか。でも、前身はお医者さんっぽいですよね。住人の方が羨ましい。



なぜかお隣のお宅も似たような意匠でまとめられているのが不思議。



再びこんないい雰囲気の路地を辿りながら駅方面に戻りますよ。



駅の手前にちょっと場末っぽい匂いがする一画があります。お店のほとんどはとっくの昔に退役済みのようですが。



雀のお宿さんは『ぬけられます』状態。



近くに冒頭画像のポケットさんがあります。



モルタルの劣化具合が素晴らしすぎますな。



こんな場所でも温泉がかけ流し状態。この辺り、ちょっと掘ればすぐに出てくるのでしょうね。



駅前を通り過ぎ、今度は南へ・・・四つ辻の角、オーダー様式不明のエンタシスのついた柱が並んでいるのは大正14年(1925)に建てられた旧長野農工銀行上諏訪支店。現在は予備校として余生を送っています。この先に看板建築の逸品が並んでいるのですが、前回も紹介していますので今回は端折らせていただきます。



前回紹介できなかったのがコチラ。魚安という食堂だったのですが店仕舞いしちゃったみたい・・・。窓の桟が美しいですね。



裏通りに大迫力の看板建築があります。前回も紹介した白作さん、昭和5年(1930)に建てられた呉服屋さん。相変わらずの過剰なまでの凄まじいギザギザ具合に圧倒されますな。



確か白作さんの裏手に、細い路地に囲まれた小さな呑んべえ横丁があったはず・・・良かった、まだ残っておりましたよ。



スタッコって古代ギリシアの頃からある左官仕上なのですが、日本のジメジメとした気候には合っていないと思うのです。皆、こんな感じで気色悪くなっちゃう。



気色悪いといえばこんなお店も。なんだか変な霊が引き寄せられそう(笑)



此処も前回紹介した場所、線路沿いの緩やかなカーブを描く通りに沿ってバラックみたいな建物が並んでいるのです。歯抜け状になっていますが、前回はあそこにも似たようなものが続いていました。今回、此処の意外な事実を知ることになります。



なんとこの建物群、水路の上に建っていたのです。『よるの女性街・全国案内板』には『赤線は踏切周辺に三〇軒、一五〇名』とあります。此処のすぐ向こうには踏切があるわけでして、もしかすると・・・。



その踏切を渡ると大手、今も現役の花街です。此処も前回紹介しましたのでアッサリ済ませますよ。



昭和初期に建てられた元歯医者さんの洋館を使っている見番は以前と変わらず。



前回(2008)の頃は花街衰退に危機感をもった人々が、芸者を育成する学校をこの見番に開設したのですが、その後の様子がよく分からないのです。ネットのニュースには『新入生』として小学生!?やOL4名が入校とあったのですが、その後順調だといいのですが。それにしても小学生ですか、所謂半玉さんということになるのでしょうか。



昼間の花街はとても静かです。



花街に似つかない横丁もあったりします。

前半はここまで、後半では前回勘違いしていた遊廓跡を訪ねた後、隠れ湯的な共同浴場に浸かって癒されます。

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