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Channel: 『ぬけられます』 あちこち廓(くるわ)探索日誌
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静岡県 浜松市天竜区二俣町201301その2

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トタンで出来たコートハウスとでも申しましょうか。


 二俣町ゆかりの偉人というのが本田宗一郎。畑は違えど私も技術者の端くれ、偉大すぎる大先輩のこと尊敬しておりますよ。宗一郎の出身地は静岡県磐田郡光明村、この村と二俣町・龍川村・上阿多古村・熊村が合併して発足したのが旧天竜市になります。現在の浜松市天竜区山東が嘗ての光明村になるみたい、現在私がフラフラしている旧二俣町とは隣同士なわけ・・・宗一郎は大正8年(1919)に二俣町立尋常高等小学校に入学していることですし、もう彼の郷里といってしまっても構わないかと。強引ですけど(笑)尋常高等小学校卒業後、宗一郎は東京湯島の自動車修理工場アート商会に丁稚奉公に出ることになるわけです。そんな彼のゆかりの地が近くにあるとのことですので、フラフラついでに寄ってみましたよ。



再びクローバー通りに戻って参りました。入母屋屋根になまこ壁があるのは、こちらも旅館の海老屋さん。ほんとこの界隈、旅館ばっかりですね。そのまま視線を先に動かしていきますと・・・なんと、三階建!?



こちらは御宿陣屋さん、またもや旅館です。元々は福田屋という屋号だったそうです。陣屋とありますが、宿場のそれとは違うみたいですよ。残念ながらとっくの昔に退役されたようです。



御宿陣屋さん向かいにあるのが二俣医院さん。車寄せのある下見板張りの擬洋風建築は大正5年(1916)に建てられました。今も現役というのが素晴しいですね。外壁の水色はオリジナルでしょうか。



かと思えばこんなお店も・・・誰だっけ、こんなの描く女性イラストレーターいましたよね。



その先にあるのがヤマタケの蔵、中庭を囲むようにして三棟の土蔵が並んでいます。元々は材木や繭を扱う商家のものだったそうです。ヤマタケというのは、その商家の屋号みたいです。母屋は解体されましたが、蔵だけは残されました。正面の蔵は二俣町唯一の蔵座敷なんだとか。



一部には煉瓦が使われています。現在はコミュニティ施設的な使われ方をされているそうです。大正12年(1923)に建てられました。



要石のあるアーチは裏門になります。いい感じです。↑で一部に煉瓦と言いましたが、メインの構造は煉瓦造に漆喰塗りみたいです。



固く雨戸が閉め切られた土蔵造りの商家、たぶん廃屋なんだと思います。欄間の造りが面白かったので一枚。



クローバー通りの西側、山沿いを並行する通りへ・・・その先にこれが現れます。本田宗一郎ものづくり伝承館。元々は昭和11年(1936)に建てられた旧二俣町役場ということなのですが・・・このリフォームはやりすぎ、どう見ても新築物件ですがな。真偽のほどはわかりませんが、元の建物を解体してそっくりに改築したという噂があるのですが・・・。しかし、これでも国の登録文化財・・・選定基準ってどうなっているのでしょうね。



で、隣にあるのが二俣諏訪神社。杉の巨木の奥に本殿があります。さしずめこの杉は鳥居代わりといった感じでしょうか。もちろん初詣させていただきましたよ、この旅5回目ですけど(笑)



この諏訪神社なんですけど、境内が変。こんな円形の池、奥の櫓みたいのは何でしょう???



この池、清龍の池と呼ばれているそうです。必要以上にごつい橋(笑)を渡った先には弁天様だったっけ・・・奥には地蔵堂と奥の院?何だかすごいことになっちゃっているわけ。



何よりも気になるのはこの櫓です。井戸櫓というそうで、よく見ると櫓の根元に井戸があるのがおわかりになるかと。何か由緒あるものだと思っていましたら、元々は二俣城にあったとされる天竜川の水を汲み上げるための櫓を復元したものなんだそうです。どうしてこの場所に造られたのかは不明・・・単に高低差のある場所ってだけかも・・・。



櫓の上はこんな感じ、床板が抜ける恐れがあるため立入り禁止です。まあ、頼まれてもこれ以上は進めませんけど。



だって、こんなロケーションですよ・・・ヒイイ・・・。



櫓のある崖上に建つ清龍寺さん、本田宗一郎ゆかりのお寺です。信長に自害させられた松平信康の菩提寺でもあります。尋常高等小学校時代の宗一郎少年は、このお寺の正午を知らせる鐘を30分早く突き、まんまと早弁していたんだとか、さすがです(笑)



大正14年(1925)に建てられたあさの洋品店の蔵、二俣町では珍しい石蔵です。使われているのは伊豆石、持送りの金物が立派です。戦時中、作家の有吉佐和子が此処で疎開生活を送っていたそうです。



その先に冒頭画像のトタンで出来たコートハウスがあります。これがファサード。



立派な土蔵、漆喰の劣化具合が最高です。



シンメトリーでマッシブな看板建築のだるまさん、元飲み屋さんでしょうか。目に止まったのが脇の路地・・・



こんな看板が・・・入ってみましょう。



ご丁寧に中ほどにも看板(笑)と思ったら、本当にお店がありました。ペラペラの書き割りみたいな建物です。



これはいい雰囲気ですなあ。お店が存在したこと自体に驚いたのですが、もっと驚いたのが正月だというのに開店準備中だったということ(笑)



この路地、気に入りました。



これは別の路地、高欄風の手摺が気になりますが、正体不明。



飲み屋さんの成れの果てらしきお店が並ぶ通りに出ました。さっきまであんなに晴れていたのに、気がつくと山のほうから風に乗って雪がヒラヒラと・・・。



当初の予定では、二俣城址と天竜川も訪れるつもりだったのですが、寒くて堪らないので今回はここまでとさせてください。

遊廓跡らしき一画も発見できたことですし、結構実りの多い探索となりました。以上で今年最初の静岡ノンビリ旅はオシマイです。お付き合いありがとうございました。

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