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暗闇の先にあったものとは・・・。
戦後すぐに米軍が撮影した航空写真を見ますと、甲府の中心街は歯抜け状の空地だらけということに気付きます。これは昭和20年(1945)7月7日の通称『たなばた空襲』によるものと思われます。この空襲によって甲府の市街地の七割以上が焼け野原と化したそうで、その1で紹介した穴切遊廓も例外なく跡形も無く焼けてしまったようです。戦後になると遊廓に代わって赤線・青線が隆盛を誇ることになります。『全国女性街ガイド』には赤線・青線がごっちゃになり『紫水晶』とも呼ばれ、穴切町から仲町・錦町附近に百軒、四百三十名もの女性がいたといいますから大した規模だと思うわけです。そして同時に、いつの時代も女性は逞しいとも・・・男達が敗戦に打ちひしがれている間に彼女達は裸一貫で勝負していたんだよなあ。まあ、良い悪いは別にしてですよ。
赤線・青線があったとされる穴切町・仲町・錦町は、現在の宝一丁目と丸の内二丁目になると思われます。駅前通りである平和通り(県道6号線)の西側はほぼ色街だったということになるのかもしれません。まあ、百軒という規模になればこれぐらいないと収まらなかったのかもしれませんね。その1に引き続き、その2もその一画からお送り致します。
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路地を抜けるといきなり塞がれた円窓にご対面です。
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側面には扇形、瓦一枚分の小庇はカフェー建築の定義としても宜しいかと。この扇、どうやってガラスを納めているのか現地では分かりませんでしたが、枠が無いでしょ?これがスッキリしていて非常に宜しいわけです。
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全景・・・摩訶不思議な曲線を描くパラペット。分かりにくいのですが、形なりの屋根ではなく看板建築なのです。南アルプスの稜線を模したのでしょうかね。
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こっちにはちゃんと入っていましたよ。
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向かいの観賞魚店はやっていませんでした。水草がいいね。
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少し西に行った処でもっともっと摩訶不思議な物件に出会いました。雰囲気からして色街とは関係のない一般のお宅だと思います。
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なんといっても出隅に穿たれた円形のガラリ四つ。あ、ガラリというのは目隠しのために角度をつけた薄い羽根材を並べた換気口のこと、よくドアなどに用いられているの見たことがあると思います。コレ、床下換気孔ってこと???雨水の浸入の阻むため外壁の上部をデザインして出っ張らしているのが心憎いぞ。
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塀に半分隠れておりますが、脇には円形の造作もあります。室内はどうなっているんだろう、小品なれど興味が尽きないお宅でした。
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近くの路地裏で見つけた琺瑯看板、今は亡き町名が記されておりました。大和張りの塀が新しいですよね。わざわざ付け直してくれたようです。
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冒頭の円窓がある物件の近く、複雑な造りのお宅?に目が留まりました。
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二軒の間が『ぬけられます』状態、左は飲み屋さんだったようでして、扉の上にカフェーの鑑札が残っておりました。直されてすぎていて元の姿が全く想像できないのが残念。
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古びた公会堂、この界隈、こんな感じの味のある公会堂や公民館がたくさんあるのです。
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サイディングできっちりラッピングされておりますが、ダイヤの小窓が気になりますよねえ。
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付き物の質屋さんもありましたよ。コチラ、鬼瓦に屋号が刻まれていました。
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袖壁に平行四辺形の格子が嵌ったお宅、外壁の色も相まってちょっと妖しい雰囲気。
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全景・・・窓の位置が気になりますが、どうも思い過ごしだったみたい。以上で『紫水晶』跡と思われる一画の探索はオシマイ。その1と合わせてどれかは遺構ではないかと思うのですが、確信には至らないわけ。自分の眼力の無さに呆れるばかりですわ。気分転換のために、駅前にあるほうとうの名店小作さんで燃料補給、心も身体もポカポカになりましたので次の目的地に向かいましょう。
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まだ残っていたんだ・・・平和通りに面して骨組だけの大門が残っておりました。5年前と全く変わっていない・・・。
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奥には長屋形式の呑ん兵衛横丁があります。きらくさんは現役なのでしょうか。
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大門は変わっていませんでしたが、建物は明らかに崩壊と荒廃が進んでおりました。
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どん詰まりにはトタン塀、貼り紙には甲府市の名前で倒壊の危険ウンヌンとありました。この姿を見られるのもあと僅かかもしれません。
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次に向かったのは中央一丁目、新しくなった市庁舎裏が町いちばんの繁華街であり、巨大歓楽街でもあります。そこでいきなり出会った『カフエー』の電飾にビックリ、『カフェー』じゃないところがポイント高いぞ。
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居並ぶソシアルビル、その間にはこんな呑ん兵衛横丁。どう見ても大通りじゃないよね(笑)この界隈、こんな横丁の宝庫なのです。
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そんな横丁の一本にお邪魔しました。前方に見えてきたオリンピック通りの入口、ポッカリ口を開けた暗闇の先に見えたのが冒頭画像の光景、思わず息を呑みましたわ。
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暗闇を抜けると今度は口アングリ・・・何なの此処・・・。
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無音の世界・・・聞こえるのは私の足音のみ・・・。
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無音どころか時も止まっている空間です。
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凄まじい情報量、夜の様子が見てみたいと思ったところではたと気付きました。正月です、お店が現役だったらシャッターに謹賀新年の貼り紙ぐらいしますよね。それが一切見当たらないのです・・・。
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横丁を抜け、現実に戻るとそこは南銀座。私の背後にはシャボンの香り漂う大人のお風呂屋さん街。正月ということなのか、はたまた景気のせいなのか、店先のお兄さん達、皆さん暇そうでした。
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唐突になりますが、螺旋階段が大好物です。
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ほら、またあった。
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閉め切られたパイプシャッターの奥はこんな感じ。正月早々、こんなものを撮っている私、いったい何なのでしょうね。
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歓楽街を抜け、駅方面に戻って城東通り(国道411号線)に出ました。通りに面してこんな大門があるはずです。
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柳小路・・・此処は前回も紹介しましたね。路地は私の背後で直角に曲がっています。
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やなぎと書かれた看板、地図には旅館とあるのですが、もうやっていないだろうなあ。
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向かいの飲み屋さんのポーチ、左の長方形モザイクタイルが珍しい。
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この小路、中ほどにも大門があるという豪華版。右手の新しいお宅の処には特徴的な格子が嵌ったお店があったのですがね、こうなってしまいましたか・・・。
その2はここまで、あの横丁には心底驚かされました。前半の色街跡なんかどこかに吹っ飛んじゃったもの(笑)で、今回の探索、まだまだ続くんですよね。その3では前回と前々回と空振りに終わった花街跡を懲りもせずまた訪れちゃいます。こう見えても結構粘着質なのです。
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暗闇の先にあったものとは・・・。
戦後すぐに米軍が撮影した航空写真を見ますと、甲府の中心街は歯抜け状の空地だらけということに気付きます。これは昭和20年(1945)7月7日の通称『たなばた空襲』によるものと思われます。この空襲によって甲府の市街地の七割以上が焼け野原と化したそうで、その1で紹介した穴切遊廓も例外なく跡形も無く焼けてしまったようです。戦後になると遊廓に代わって赤線・青線が隆盛を誇ることになります。『全国女性街ガイド』には赤線・青線がごっちゃになり『紫水晶』とも呼ばれ、穴切町から仲町・錦町附近に百軒、四百三十名もの女性がいたといいますから大した規模だと思うわけです。そして同時に、いつの時代も女性は逞しいとも・・・男達が敗戦に打ちひしがれている間に彼女達は裸一貫で勝負していたんだよなあ。まあ、良い悪いは別にしてですよ。
赤線・青線があったとされる穴切町・仲町・錦町は、現在の宝一丁目と丸の内二丁目になると思われます。駅前通りである平和通り(県道6号線)の西側はほぼ色街だったということになるのかもしれません。まあ、百軒という規模になればこれぐらいないと収まらなかったのかもしれませんね。その1に引き続き、その2もその一画からお送り致します。
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路地を抜けるといきなり塞がれた円窓にご対面です。
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側面には扇形、瓦一枚分の小庇はカフェー建築の定義としても宜しいかと。この扇、どうやってガラスを納めているのか現地では分かりませんでしたが、枠が無いでしょ?これがスッキリしていて非常に宜しいわけです。
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全景・・・摩訶不思議な曲線を描くパラペット。分かりにくいのですが、形なりの屋根ではなく看板建築なのです。南アルプスの稜線を模したのでしょうかね。
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こっちにはちゃんと入っていましたよ。
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向かいの観賞魚店はやっていませんでした。水草がいいね。
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少し西に行った処でもっともっと摩訶不思議な物件に出会いました。雰囲気からして色街とは関係のない一般のお宅だと思います。
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なんといっても出隅に穿たれた円形のガラリ四つ。あ、ガラリというのは目隠しのために角度をつけた薄い羽根材を並べた換気口のこと、よくドアなどに用いられているの見たことがあると思います。コレ、床下換気孔ってこと???雨水の浸入の阻むため外壁の上部をデザインして出っ張らしているのが心憎いぞ。
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塀に半分隠れておりますが、脇には円形の造作もあります。室内はどうなっているんだろう、小品なれど興味が尽きないお宅でした。
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近くの路地裏で見つけた琺瑯看板、今は亡き町名が記されておりました。大和張りの塀が新しいですよね。わざわざ付け直してくれたようです。
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冒頭の円窓がある物件の近く、複雑な造りのお宅?に目が留まりました。
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二軒の間が『ぬけられます』状態、左は飲み屋さんだったようでして、扉の上にカフェーの鑑札が残っておりました。直されてすぎていて元の姿が全く想像できないのが残念。
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古びた公会堂、この界隈、こんな感じの味のある公会堂や公民館がたくさんあるのです。
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サイディングできっちりラッピングされておりますが、ダイヤの小窓が気になりますよねえ。
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付き物の質屋さんもありましたよ。コチラ、鬼瓦に屋号が刻まれていました。
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袖壁に平行四辺形の格子が嵌ったお宅、外壁の色も相まってちょっと妖しい雰囲気。
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全景・・・窓の位置が気になりますが、どうも思い過ごしだったみたい。以上で『紫水晶』跡と思われる一画の探索はオシマイ。その1と合わせてどれかは遺構ではないかと思うのですが、確信には至らないわけ。自分の眼力の無さに呆れるばかりですわ。気分転換のために、駅前にあるほうとうの名店小作さんで燃料補給、心も身体もポカポカになりましたので次の目的地に向かいましょう。
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まだ残っていたんだ・・・平和通りに面して骨組だけの大門が残っておりました。5年前と全く変わっていない・・・。
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奥には長屋形式の呑ん兵衛横丁があります。きらくさんは現役なのでしょうか。
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大門は変わっていませんでしたが、建物は明らかに崩壊と荒廃が進んでおりました。
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どん詰まりにはトタン塀、貼り紙には甲府市の名前で倒壊の危険ウンヌンとありました。この姿を見られるのもあと僅かかもしれません。
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次に向かったのは中央一丁目、新しくなった市庁舎裏が町いちばんの繁華街であり、巨大歓楽街でもあります。そこでいきなり出会った『カフエー』の電飾にビックリ、『カフェー』じゃないところがポイント高いぞ。
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居並ぶソシアルビル、その間にはこんな呑ん兵衛横丁。どう見ても大通りじゃないよね(笑)この界隈、こんな横丁の宝庫なのです。
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そんな横丁の一本にお邪魔しました。前方に見えてきたオリンピック通りの入口、ポッカリ口を開けた暗闇の先に見えたのが冒頭画像の光景、思わず息を呑みましたわ。
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暗闇を抜けると今度は口アングリ・・・何なの此処・・・。
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無音の世界・・・聞こえるのは私の足音のみ・・・。
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無音どころか時も止まっている空間です。
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凄まじい情報量、夜の様子が見てみたいと思ったところではたと気付きました。正月です、お店が現役だったらシャッターに謹賀新年の貼り紙ぐらいしますよね。それが一切見当たらないのです・・・。
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横丁を抜け、現実に戻るとそこは南銀座。私の背後にはシャボンの香り漂う大人のお風呂屋さん街。正月ということなのか、はたまた景気のせいなのか、店先のお兄さん達、皆さん暇そうでした。
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唐突になりますが、螺旋階段が大好物です。
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ほら、またあった。
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閉め切られたパイプシャッターの奥はこんな感じ。正月早々、こんなものを撮っている私、いったい何なのでしょうね。
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柳小路・・・此処は前回も紹介しましたね。路地は私の背後で直角に曲がっています。
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やなぎと書かれた看板、地図には旅館とあるのですが、もうやっていないだろうなあ。
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向かいの飲み屋さんのポーチ、左の長方形モザイクタイルが珍しい。
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この小路、中ほどにも大門があるという豪華版。右手の新しいお宅の処には特徴的な格子が嵌ったお店があったのですがね、こうなってしまいましたか・・・。
その2はここまで、あの横丁には心底驚かされました。前半の色街跡なんかどこかに吹っ飛んじゃったもの(笑)で、今回の探索、まだまだ続くんですよね。その3では前回と前々回と空振りに終わった花街跡を懲りもせずまた訪れちゃいます。こう見えても結構粘着質なのです。